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2013/12/31 30日の東京外国為替市場の円相場は下落し約5年3カ月ぶりの円安水準1ドル=105円40銭台をつけた。東京市場の最終営業日 ことしの最安値 を更新した。円相場は世界的株高で安全な資産とされる円を売ってドルやユーロを買う動きが加速した。安倍首相は日本橋兜町の東京証券取引所でことし最後の取引の「大納会」後に開かれた式典に歴代首相として初めて出席し、来年も経済優先の政権運営を続ける意向を示し「経済はマイナスからプラスに転換じた。景気の良い循環に入っていけるように来年、一生懸命頑張っていく」と経済政策「アベノミクス」の成果をアピールした。首相は1年を振り返り、大胆な金融緩和と財政出動、成長戦略による3本の矢に取り組み「デフレ脱却に挑んだ」とし終値がことしの最高値を更新したことに「せっかく東証へ行くのに株が下がったら嫌だなと思っていたが、年初来最高値だ。私への最高のおもてなしだ。昨年のまさに倍になっている。『倍返し』だ」と述べ首相流のユーモアを披歴した。式典の最後に、2020年東京五輪招致で最終プレゼンテーションの名スピーチをしたパラリンピック陸上の佐藤真海選手と共に1年の締めくくりの鐘を鳴らした。安倍政権は特定秘密保護法を成立させ沖縄県に普天間飛行場移設を認めさせ、日本版NSCを発足させた。靖国参拝への国際的危惧の解消はNSCの仕事であろぅ。首相・副総理・官房長官の3角関係にぶれは少ない。東京五輪の運営には秘密保護法もNSCも不可欠だ。安倍政権は東京五輪を視野に収めながら安定した長期政権を目指すだろう。
2013/12/31 シャンソン歌手・美輪明宏のコンサートに初めて接したのは今はもうない東京・銀座7丁目にあったライブハウス「銀パリ」であった。圧倒的な歌唱力は強烈だった。長崎の色街育ちの美輪は物心ついたころからシャンソンやフランス語に接していた。上京して音楽学校へ通い新宿駅でホームレスのような生活も体験した。専属歌手として昼も夜も銀パリで歌いだしたのは17歳からであった。「これって何?」の意味のケスクセ?の略語がなまった「ケメケメ」や貧しくとも力強く生きる土方の歌「ヨイトマケノ唄」が新鮮だった。敗戦直後は日本人のだれもがそんな思いでがむしゃらに生きていた。パリで言えば、「愛の讃歌」のエディット・ピアフ、サルトルら実存主義哲学者と交友を重ねたジュリエット・グレコのような存在であった。三島由紀夫や寺山修司と親しく付き合った。「物おじしない人だ。東京をなめてかかっているんじゃないか」と言われたりもしたそうだ。♪あなたの燃える手で私を抱きしめて♪と歌いだす「愛の讃歌」は、日本語になった歌詞とフランス語の原語の意味はまるで違った世界だ。「日本であの歌を流行させるには岩谷時子さんの訳でよかったと思うが、言語では意味が違うので私はフランス語の自分なりの日本語訳を読み上げてから原語で歌うことにしている」と話していた。激しい無償の愛の歌だ。本当にその通りだと思う。
2013/12/29 平成四半世紀が終わる。25年前の平成元年(1989年)にどこで何をしていたのだろうと思い、連載もの「鬼太鼓の鬼 世界をゆく」を掲載していたタウン誌「月刊・佐渡国」をひも解いてみた。ロンドン滞在中であった。国際情勢は激動中。冷戦終了期であった。ということは旧ソ連が崩壊し、東ドイツが西ドイツへ統合され、欧州連合(EU)が単一通貨ユーロで結ばれた時代であった。ロンドンからボンやベルリンへの出張が多くモスクワへも何度か飛んだ。湾岸戦争ではカイロへ何度も足を運んだ。ロンドン滞在に最も忘れられないのはフランスのアルベールビルで開かれた冬季五輪の取材に出かけたことだ。アルプスの山々には2週間にわたって聖火が燃えた。冬季五輪の華フィギュア女子では伊藤みどりが得意の3回転半ジャンプ・トリプルアクセルを飛んで銀メダルに輝いた。日本では竹下政権下のころであった。昭和の後の年号を何にするのだろう。のちに首相も務めた当時の小渕官房長官は「元号は平成であります」と額縁に入れた「平成」の文字を掲げた。元号は官邸が原案を有識者会議に示し、有識者の多数意見によって決められた。官邸が準備した原案には「平成」「修文」「正化」の3つあった。有識者会議の1人、西原春夫元早大総長は「私は『正化』が良いと思ったが、平成が最初に書かれており、官邸では平成を予測していたのではないかと思う」と25年前のことを証言していた。-そういうことだったのかと感じ入った。
2013/12/28 第2次安倍政権誕生1年の締めくくりとして首相は靖国神社を参拝し英霊に尊崇の念を捧げ「2度と戦争の惨禍によって人々が苦しむことのない時代をつくりたい」と祈念した。第1次政権中に靖国参拝を実現できなかったことに「痛恨の極み」と表現してきた首相にしてみれば2次政権発足時に公約した約束を果たした気持ちであろう。1国の指導者として国のために戦死した人々の霊に哀悼を捧げることはどの国でも行われている。指導者の基本責務だ。明治維新以来、日本は日清、日露戦争に勝利した。第2次世界大戦では「大東亜共栄圏」を掲げて日本は太平洋戦争を戦ったものの日独伊3国同盟は連合国軍側に敗れた。靖国神社に祭られた英霊には勝利した日本兵と敗北した日本兵それに敗北戦を指導したA級戦犯さえ合祀されている。安倍首相が尊崇の念を捧げたのはどの英霊なのだろう?清の後継国家・中国が安倍首相を「ペルソナ・ノングラータ」(好ましからざる人物)に指定し日本に勝利した米国が「首相の靖国参拝に失望した」と公言したのを忘れてはならない。ロシアの懸念も深い。孤立無援の四面楚歌に陥ってきた。首相の靖国参拝は独りよがりで不毛だ。おじいちゃん岸信介氏は2・26事件の黒幕として銃殺刑にされた北一輝の愛読者であった。靖国に合祀されず辛亥革命に参加し米国との非戦論を説いた北一輝の「美しい日本」にも「尊崇の誠」を捧げてほしい。
2013/12/27 中国建国の父・ 毛沢東主席の 生誕120年を迎えた。中国全土で記念行事が行われ、故郷の湖南省・韶山市は毛を称賛する人々が集まり業績をしのんだ。北京CCTVは生誕地・韶山市のお祭り模様を詳しく伝えた、独ZDFは現地から「北京の指導者は韶山市へ来ていない。毛沢東に対する評価は国論を2分しているのだ」としシンガポールCNAは韶山市で毛沢東の生誕地を観光地化する動きを伝え「共産党左派を象徴する毛沢東は現代中国の代表者にはなっていない」と解説していた。韶山を変えたのは1978年の改革・開放路線以降に進められた観光業だ。毛沢東グッズ商店が並び、宿泊施設は25日から26日にかけて毛沢東参りの人出で大盛況になる。毛沢東像を売る店で働くある市民は「10年で生活レベルは数倍向上した。毛沢東主席のおかげ」と話す。中国共産党は1981年の「歴史決議」で文革を「内乱」と全面否定し、毛沢東の誤りを指摘した。毛への個人崇拝に終止符が打たれた。89年の民主化運動を武力弾圧した天安門事件は毛信仰を打ち砕いた。その後党は経済発展と愛国教育へ基本方針を転換した。北京では習近平国家主席は人民大会堂で党幹部を前に演説し毛が発動した大規模政治運動「文革」の誤りを指摘しながら「必然と偶然のルールを学び歴史上の逆境の中の失敗を単純に個人になすりつけてはならない」と毛への過度な批判をいさめ「革命の指導者は人であり神ではないが、失策や誤りがあったからといって歴史的な功績を全面否定することはできない」と強調した。習氏は毛を「民族の英雄」と称賛し「マルクス・レーニン主義を受け継いだ毛沢東思想の旗を永遠に高く掲げて前進していく」とした。習氏は「中国は永遠に覇権を唱えず、拡張主義を取らない」とし独立自主の平和外交を堅持するとする 一方で「いかなる外国も核心的利益で取引し、主権を損なう結果をのみ込むと期待してはならない」と領土主権や海洋権益の維持では妥協しない姿勢を誇示した。建国の父の正統な後継者としての中華哲学であろう。
2013/12/26 3月就任したローマ法王フランシスコはカトリックの総本山バチカンのサンピエトロ広場のバルコニーから初のクリスマス・メッセージでシリアについて「あまりにも多くの命が憎しみと報復によってうち砕かれた。これ以上シリアの人々が苦しまないよう祈ろう。対立する当事者は暴力をやめ、人道支援が行きわたるよう神に祈り続けよう」と広場を埋めた信者に呼び掛けた。中央アフリカと南スーダンでは「最近の緊張は多くの犠牲者を生んだ。平和の共生を脅かす若い国に調和が育まれるよう祈ろう」と訴え、イラクの平和とパレスチナとイスラエルの交渉に成功を願う祈りをささげた。台風被害を受けたフィリピン国民には「支援と保護」を祈念し、10月イタリア南部ランペドゥーザ島沖で多数の人々が死亡した密航船の沈没事故にも触れ「悲劇が二度と起きませんように」と希望した。法王はクリスマスと復活祭に国際情勢に触れながら世界の信者に向けメッセージを公表することが恒例であり、サンピエトロ大聖堂での深夜のクリスマスイブのミサでは「心が閉ざされ誇りや偽りや利己主義に支配されてしまうならわれわれの精神の内面と周囲には暗闇が垂れ込めるだけであろう」と説教した。シリアの暴力は昨年の法王ベネディクト16世のクリスマス・メッセージでも第一に取り上げていた。「シリアの暴力が終わりますようー平和を祈ろう。ミャンマーの和解、ソマリアとケニアを援助しよう。イスラエルとパレスチナ、イラン、アフガニスタン、南スーダンが和解するよう祈ろう」と祈念していた。
2013/12/25 ロシア亡命中の元米中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン氏は米紙ワシントン・ポストとのインタビューで国家安全保障局(NSA)の盗聴活動の実態をメディアを通し世界中に暴露したことを「個人的満足という意味では任務は成し遂げた。私は勝利した」と勝利宣言した。「私は社会を変えることを望んだのではない。変革すべきかどうか社会が自ら決める決断の機会を提供したかった」「NSAに打撃を与えようとしているのではなく、NSAの改革に取り組んでいるのだ。私は依然としてNSAのために働いているのであり、彼らだけがそのことを認めないだけだ」と訴えた。米国内外の不特定多数の市民や外国指導者を対象にしたNSAの情報収集活動はメルケル独首相や欧州連合(EU)内で大きな反響を呼んだ。有識者グループはオバマ大統領に46項目にわたる改革案の報告書を提出した。オバマ大統領は「外交活動に支障が出てきたことは疑えない」と話し、1月にNSAの活動に関する新たな措置を発表する予定である。スノーデン氏の情報暴露はネット上におけるアサンジ氏の内部告発サイト・ウキリィークスの内部文書の公表とともに、外交の意思決定過程における秘密情報活動と国民の知る権利との関係に複雑かつ微妙な問題を提起したことは確かであろう。 .
2013/12/24 「当館のお風呂はとっても気持ち良いので落葉や虫たちも長湯をしがちです。どうか心やさしいお方の手で外に出してあげてください」と箱根の湯本富士屋ホテルの露天温泉湯処「早雲」に看板があった。すぐわきに落葉や虫を救い上げるための網が置いてあった。深山の中で湯気の立ち上る露天風呂ほど心休まるところはあるまい。湯のおもてなしこそ東京の奥座敷・箱根の思いやりだ。森の中に古民家風に仕立て上げた湯屋・箱根湯寮のサウナ「熱ノ室」のロウリュサービスもユニークであった。花や果物の香りのアロマ水をサウナストーンにかけ香りと高温の熱を一気に楽しむのだ。ストーンにかけられたアロマ水は熱い水蒸気になって部屋に充満する。大きなうちわで水蒸気を拡散すると全身から汗がにじみ出てくる。10分間に2度繰り返す。汗とともに体の老廃物を体外へ出してしまう湯治健康法でもあるのだ。里山の風趣の中で季節の野菜と果物と魚やそばを食すれば和食の神髄を感じることができるだろう。東京の奥座敷の奥は深い。
2013/12/22 世界最高峰レース・凱旋門賞2着のオルフェーヴルのラストラン。8馬身差のぶっちぎり勝ちであった。連覇を狙ったゴールドシップは後れを取ってしまった。12万人を超えるファンが押し寄せた中山競馬場でオルフェーヴルは圧勝で有終の美を飾った。引き揚げてくるまで喜びを抑えていた池添謙一騎手が「よっしゃあ」と大声で叫んだ。「オルフェーヴルに出会えて本当に良かった。お疲れさま。世界一強い馬だと思います。日本の競馬を支えてくれたことを忘れないでください」と池添騎手は満面の笑みで話した。2周目3コーナーから馬群の外を進出して4コーナーを回ると先頭に立ち、そこからはもう独走だった。「びっくりするほど強かった。いろんな意味で、らしさを出した馬だった。2年連続2着の凱旋門賞は運がなかったんでしょう。次の目標は、子どもで凱旋門賞を勝つことです」GⅠ6勝、数多くの伝説を残したオルフェーヴルは種牡馬として新たな一歩を踏み出す。最強の日本馬であった。
2013/12/22 ♪海は荒海 向うは佐渡よ すずめ啼け啼け もう日はくれた みんな呼べ呼べ お星さま出たぞ♪「30年間も親切にしていただき本当にありがとうございました。20周年のときには同級生の男性だけ20名くらいで祝ってもらいました。できる範囲でしかやってこなっかったのに30年で最後やっぱりさびしい。これが正直な気持ちです。こんなに大勢の同級生のみなさんにお会いできるのは幸せです。本当にありがとうございました」(名畑恵子ママ最後の言葉)♪夢のようにはかなく私の記憶は広告写真みたいに悲しく通り過ぎてゆく さみしかった私の話を聞いて男のくせに泣いてくれた♪佐渡高校昭和39年卒同級生の銀座のオアシス「ポポーラ」が30年の幕を閉ざした。同級生たちはここへ集まると佐渡を思い起こした。東京のど真ん中銀座のネオンの中で故郷の佐渡へ帰ったようなくつろいた気分になれた。語り合い歌い合った。店を閉めると聞いてから宮田亮平・東京芸大学長も何度か顔を見せてくれた。自分のイルカの作品を壁に飾ってあるお店の中で「ああ上野駅」を歌ってみたら本当に泣けてきた。涙がこぼれてきてしまった。想い出は深い。「ポポーラ」の心のともしびは永遠に消えることはあるまい。
2013/12/21 英紙ガーディアンは米中央情報局(CIA)元職員スノーデン氏から提供された機密文書を基に米英両国の情報機関の監視対象リストに国連児童基金(ユニセフ)や欧州連合(EU)、イスラエル首相などが含まれていたと報じた。リストには、国際医療援助団体「世界の医療団」や西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)も含まれ、同紙は「情報機関がテロリストや犯罪者、敵対国の政府関係者だけでなく、幅広く情報収集活動をしていたことを示している」と指摘。リストは英政府通信本部(GCHQ)と米国家安全保障局(NSA)が協力して作成したという。情報分野における英米同盟ある。ガーディアンの報道はブリュッセルの欧州連合(EU)首脳会議で首脳らがベルギーを離れた後なのでこの問題を話し合うことはなかった。独ZDFはメルケル首相とキャメロン首相が会議場でにこやかにあいさつする姿を映しだし「携帯電話を米NSAに盗聴されたメルケル首相は次回英首相と会うときはもっと厳しい態度になるだろう」と伝えていた。
2013/12/19 猪瀬直樹知事は医療法人「徳洲会」グループから現金5千万円を受領した問題の責任を取って辞職を表明した際、辞職の決断を17日に石原慎太郎前知事、18日に知事選の選対責任者だった日本サッカー協会(JFA)最高顧問の川淵三郎氏に個別に相談したことを明らかにした。1年前猪瀬氏が石原前知事の後継に指名され、選挙戦初日、新宿駅・西口駅前広場の出陣式で配布された選挙ビラには「決断、突破、解決力」の文字が並び、このスローガンの前で「東京を輝く都市に。自助・共助・公助でひとりひとりが輝ける首都に!」と訴えていた。選挙カーの上には選対責任者の川渕三郎氏のほか、日本維新の会代表の石原慎太郎前知事、自民党都連会長の石原伸晃氏、橋本徹・大阪市長ら石原ファミリーの顔が並んだ。「政治家としてはアマチュアだった」と反省の弁しきりだった作家・猪瀬直樹氏を待っているのは東京地検特捜部の捜査だ。都議会論議で5千万円の受領について①現金の授受②知事の職務権限③徳洲会側の依頼ーはファクトとして確定されつつあり、捜査は罪状認定、証拠集めなどエビデンス固め段階にある。知事を辞職しても険しい道が待っているのだ。
2013/12/19 「愛しちゃったのよ」を歌って大ヒットしたのは学生時代であった。昼も夜もない多忙な生活は体をむしばみ心身ともに苦悩した。襲ってきた病は急性膵炎。歌手生活を休止して闘病生活を10年近く続けたときに学んだのは食の大切さであった。食あって命あり。家庭菜園で野菜造りを始めてみた。病が快方に向かい、石井好子さんから薦められ再び歌の道に復帰した。歌い上げることの感動と感謝の念は「食育ソムリエ」や「ユネスコ活動」へ誘ってくれた。学びの心は大学院の受験へ向かい2年間女性教育史を学んで修士号を取得した。東京・文京区の文化シャッターBXホールで開かれた田代美代子さんの「POPS ELEGNCE-今年心に残った歌」に出かけてすがすがしい気持ちになってきた。東日本大震災からの復興を祈る祈念の調べがあり、キャロライン・ケネディ駐日大使を「あのキャロラインちゃん」と呼んで思い出を語るところは社会派歌手であった。フランス語で歌ってくれた「枯葉」ではパリの晩秋を想起した。「愛しちゃったのよ」の風情はもうどこにもなかった。生まれ変わった田代美代子さんは健康誌「主治医」で随筆「ティータイム」の連載を始めた。
2013/12/18 総議席の8割を占めるドイツのメルケル首相は連邦議会(631議席)の首相指名選挙で選出され第3次政権が正式に発足した。9月連邦議会選挙から3カ月、協議を重ねてきたキリスト教民主・社会同盟と社会民主党は大連立にこぎつけた。連邦議会の議席数は同盟311、社民党193で首相指名選挙でメルケル氏の再選に賛成したのは462人。社民党から造反者が出た。メルケル氏の任期は2017年まで。05年首相になったメルケル氏は12年に及ぶ長期政権を担う。政権の要課題の脱原発政策は副首相兼経済・エネルギー相として社民党のガブリエル党首が中心となって取り組む。首相と官房長官を含む16閣僚のうち同盟が10、社民党が6ポスト。同盟からはフォンデアライエン労働社会相が女性で初の国防相に就任した。重鎮ショイブレ財務相は留任した。欧州連合(EU)外相理事会はウクライナの意向で締結を先送りした連合協定に引き続き締結の用意があると訴えウクライナに締結を促した。ウクライナのヤヌコビッチ政権が望む経済支援の提案はない。EUのアシュトン外交安保上級代表は「自由貿易協定(FTA)を柱とする連合協定締結が最善の対応策」との立場を繰り返した。ヤヌコビッチ氏はモスクワを訪問しプーチン露大統領とともに経済・貿易など2国間関係強化を協議する国家間委員会に出席し、プーチン大統領はウクライナに対する財政支援方針のほかウクライナへの天然ガス輸出価格を大幅に値下げすると明らかにした。EU外相理事会では、昼食会に参加したロシアのラブロフ外相とウクライナ情勢も協議し、EU外相はウクライナのEU接近を嫌うロシアの圧力は受け入れられないと指摘し、議論は平行線をたどった。EUの主導勢力となる第3次メルケル政権の外交活動もウクライナ・ロシア問題に置かれよう。ここでもメルケル・アシュトン女性コンビ活躍の場である。
2013/12/18 都議会最大会派の自民党は議会での真相解明をあきらめ偽証への罰則、告発がある百条委員会で知事を追及し辞職に追い込むシナリオを描き出した。「知事は東京の顔としてふさわしくない。これ以上質疑しても仕方がない」と総務委員会の集中審議で自民都議が突然言い放って審議を中断した。伊藤興一委員長(公明)が「百条委員会も視野に新たな対応を考えざるを得ない」と質疑打ち切りを提案。総務委は閉会した。この動きは百条委に当初は消極的だった自民党が主導した。「総務委打ち切り―百条委設置」の方針転換を他会派に打診した結果だ。総務委の審議は4日間で20時間に上った。質疑は堂々めぐりだけであった。都庁内では「同じ質問の繰り返しでうんざり」との声も上がり、都政の停滞に危機感も広がった。百条委の設置となれば、知事の「個人的借り入れ」論は事実によって「政治資金の提供」に転じてしまうだろう。自民都連幹部は、2020年東京五輪の大会組織委員会の立ち上げ期限が来年2月上旬に迫っていることに触れ「知事は組織のメンバーに入れられない。1月中には決着をつけないといけない」と打ち明けた。百条委は知事に辞職を迫る場となるだろう。
2013/12/17 特別首脳会議に参加した東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国の首脳らは日本滞在中にユネスコの無形文化遺産に登録されたばかりの和食でもてなしを受けた。和食の神髄は味の妙義に食材の地域性や季節感を取り入れ、見た目が美しいばかりでなく何よりも体に優しい健康食であることだ。うまくて優しく美しい。だが、フレンチのように外交食として国際的に定番化しているわけではない。そこで和食とはなにかを国際観光地・箱根の老舗温泉宿・富士屋ホテルで体験してきた。和食メニューの名称は「師走」。先付は甘海老の柚子胡麻和えと鮟肝、大根の柚子味噌、それに豆腐と蒸しうに、山菜の3品。1品に数種の食材が入るので品数で言えば、先付だけで10種もの食材が含まれる。お造りはタコ、エビ、カンパチ、マスの4種盛り。新鮮だった。焼き物になると、カマスの一夜干し、エビからすみ、子鯛の八幡巻き、蓮根煎じ餅、それにはじかみ。焜炉は根ほっけ。蒸し物は馬鈴薯、湯葉、キノコ、それに青い菜類。中皿にはズワイ蟹の蟹酢がつく。この後が食事だ。白ごはんに赤だし汁に小松菜の昆布。香の物は3種盛り。漬物である。最後に抹茶プリンにフルーツが添えてあった。そしてお茶。どれも美しく並べてあった。翌日は登山鉄道、ケーブルを乗り継いでロープウエイから真っ青に晴れ上がった富士山の高根をさまざまな角度から眺めてみた。芦ノ湖は船から。箱根神社をお参りしてきた。どこからも見える富士山もユネスコの文化遺産に登録された。
2013/12/15 ドイツ連邦議会選挙を受け連立協議を続けていた社会民主党は党員投票の結果、メルケル首相のキリスト教民主・社会同盟との大連立政権政権への参加を賛成多数で承認した。これにより第3次メルケル政権が誕生する運びとなった。ドイツの大連立政権は2005~09年の第1次メルケル政権以来だ。メルケル氏は17年まで12年間にわたる長期政権を担うだろう。約37万人の党員が郵便で投票し約26万人が大連立に賛成した。旧東ドイツ出身のメルケル首相には政権運営の危うさはほとんどない。欧州連合(EU)へのかかわりで英国民と保守党内をまとめきれないキャメロン英首相と経済低迷で人気急落のオランド仏大統領とともに第3次メルケル首相がEUの政策を担うことがなろうが、EUの主要政策のカギを握るのは政権基盤と欧州政策で最も安定したメルケル・ドイツ政権だということになるだろう。
2013/12/12 猪瀬直樹都知事が徳洲会グループから現金5千万円を受領していた問題で知事のストーリー創作力に破たんが表れた。衆院議員会館での現金受領後、そのまま帰宅したとする都議会での説明が公用車記録によって否定されてしまったのだ。副知事時代の猪瀬氏の公用車日誌には、昨年11月20日午後7時に都庁を無人で出発して同20分に港区に到着、同40分に猪瀬氏を乗せて午後8時35分に町田市の自宅に着いたとの記載があった。猪瀬氏は特別秘書を通じ「議員会館からタクシーで港区の個人事務所に行き、秘書と打ち合わせをした。その後、公用車で帰宅した。記憶違いだった」と釈明した。議会運営委員会は猪瀬氏の1年間の給料返上に関する条例改正案を審議せず継続審査とすることを決めた。現金授受について猪瀬氏は都議会総務委員会で「議員会館に入ったのは大体午後6時とか6時半。現金受領後まっすぐ自宅に帰ったと思う」と述べていた。徳洲会グループの裏金選挙資金工作にひっかかってしまったことを「個人的借入」で隠ぺいしようとする限り、記憶違いによる小さな嘘は無限に続くだろう。「事実関係のデイテール(詳細)にこそ神は宿る」とする氏の作品制作論から言えば、評論家・作家としてでなく政治家・知事として都議会と都職員の中に自分の与党をつくらなければ、喫緊を要する予算編成も五輪準備も行き詰まってしまう。嘘を見抜く情報源となった公用車の運用日誌コピーは発言の嘘を直観した知事室部局からリークされたようである。都庁舎の中でも四面楚歌の「孤立無援の闘い」を強いられてきた。「亡くなった妻」としか対話できない姿は痛々しい。
2013/12/11 東京都庁にある本屋の入口に猪瀬直樹・東京都知事の新刊書類が並んでいた。その一つ「突破する力」(青春出版社)の帯には「2020年東京オリンピック決定!」ー都知事の行動力と発想の原点」と特筆され、道路公団民営化や副知事時代の成功体験を基に、若者たちに閉塞状態をてこにして「突破力をつけてほしい」と訴えた好著だ。「壁を打ち破るには頭を使え」「自分の最大の武器は弱点の中にある」「成功につながる努力、無駄に終わる努力」「10人の知人より1人の信頼できる味方」「いくら稼いだかなんて二流の発想」-どの文章も説得力に富み面白い。徳洲会グループから5千万円を受領した問題をめぐる都議会における知事のストーリー創作力は完全に破綻していた。突破力をつけた若い議員たちのまともな質問に窮する場面がたびたびあった。その都度、ファクトを思いのままに取り換えていた。エビデンスも怪しかった。知事は今、思いがけない逆境の渦中にある。見苦しいほどだ。弱気にならずにその逆境に「突破する力」を見せてほしい。
2013/12/10 猪瀬直樹都知事は徳洲会グループから5千万円を受け取っていた問題で東京都議会総務委員会の一問一答の質疑に臨んだ。都議会最大会派・自民党と第2会派・公明党の議員が計5時間にわたって5千万円の目的や経緯を質問した。持ち前のジャイアントでビッグ態度は消えうせ知事は「分からない」「よく覚えていない」を繰り返した。総務委員会の大きな議場は都議や傍聴者で埋め尽くされた。知事のあいまいな答え方には「弁護士に指示されたのか」「議会をばかにするな」ーのヤジが飛びかい、ある都議は「あまりにも不誠実。疑惑解明のため資金を返した特別秘書や徳洲会を仲介した一水会の木村代表らを呼ぶ必要があるかもしれない」と5千万円借り入れは疑惑度を一層深めた。都議会は13日で閉会する予定だが、「まだ聞いて知事から聞くべきことたくさんある」と閉会中も総務委を開いて追及する声も出てきた。都議会では2005年に都社会福祉事業団の学院運営をめぐって百条委が設置され、当時の石原慎太郎知事の側近だった副知事が虚偽答弁をしたとして辞職に追い込まれた事例がある。自公両会派には、東京地検の捜査が進展すれば議会が調査する局面ではなくなることや、大詰めを迎える来年度の予算編成への影響を考慮し、百条委の設置に慎重な意見が強かった。だがこの日の答弁を受け、自民幹部は「百条委は常に選択肢。時々に応じ判断する」との雰囲気に変わってきた。都議会には知事不信任を決議する選択肢もあり、議員3分の2以上が出席し4分の3以上の同意で議決される。そうなれば、知事は10日以内に議会を解散しなければ失職する。質問に立った 東村邦浩・公明党議員は「疑惑にまみれた猪瀬知事では国に物申せない。世界にも発信できない。予算も組めない。即刻知事の職を辞すべきだ」と詰め寄った。 高木啓・自民党 議員も、知事が唐突に口にした給料1年分の返上は「それで済む話じゃない」と一蹴。猪瀬知事は都議会でも窮地に陥ってきた。

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岩田 雅プロフィール

近影

佐渡市(旧金井町)出身
1946年生まれ
(東京都世田谷区在住)
元通信社論説委員
2010年日本ペンクラブ会員

国際評論集

  • 第1弾「鬼太鼓の鬼 世界をゆく」(2010年)
  • 第2弾「鬼太鼓の鬼 アジアをゆく」
  • 第3弾「鬼太鼓の鬼 世界をゆく―女王のいる共和国」
    (2011年)
  • 第4弾「時代を歩く―評伝。
    本間雅晴のころ」
    (2012年)
  • 第5弾「時代と生きる-
    みやこの西北・早稲田の杜」
    (2013年)
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